JR東日本は、中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」に基づき2024年12月に発表した「Suica Renaissance」の推進のひとつである、「改札はタッチするという当たり前を超える」を実現するため、様々な方式でウォークスルー改札の検討を進めている。
その一環として、2025年秋頃に上越新幹線の新潟駅と長岡駅に顔認証技術を用いた改札機を設置。実証実験を行なうことが発表された。
ウォークスルー改札により、きっぷの投入やSuicaのタッチをなくすことで両手に大きな荷物を持つ乗客や、ベビーカー利用者の通過の利便性が向上。同社では「国内ばかりでなく、海外からのお客さまにもウォークスルー改札をご利用いただけるよう開発を進めていきます」とコメントしている。
「Suica Renaissance」の推進
「Suica Renaissance」の推進に向けた取り組みとして、ウォークスルー改札の実現に向けた検討の一環として、きっぷやSuicaを取り出すことなく簡単に改札を通過できるように顔認証改札機の実証実験を行なう。今回の実証実験では2種類の顔認証改札機が導入される。
■実証実験の概要
(1)実施時期:2025年秋頃~2026年春頃(予定)
(2)実施駅:新潟駅新幹線東改札、長岡駅新幹線改札 各駅に1通路、顔認証改札機を設置
(3)対象者:新潟駅と長岡駅の間の新幹線定期券(Suica FREXまたはSuica FREXパル)を持つ利用客を対象にモニター参加者を募集
(4)主な評価項目:
・改札機における顔認証技術そのものの精度確認
・機器設置環境(照度、カメラ角度、温湿度環境等)に関する実証確認
・改札機を通過する「歩行者の速度」「カメラと歩行者の距離」や改札機と顔認証センサーの連動確認等
◎実証実験の詳細やモニター参加者の募集方法等については、2025年夏頃にアナウンスされる予定。
<モニター登録の流れ(予定)>
■顔認証改札機による実証実験の今後について
新幹線においては、今回の実証実験の結果を受け、今後顔認証による実証実験の対象を拡大していく。
たとえば、大人の休日倶楽部といった特定会員を対象とした実証実験を行ない、その後新幹線eチケット利用客を対象とした実証実験が検討されている。
なお、ウォークスルー改札の実現に向けては、顔認証以外にも様々な方式が検討されており、同社は「2027年春頃には顔認証以外の技術を活用し、在来線で実証実験を行ない、今後10年以内にウォークスルー改札の実現を目指していきます」とコメントしている。
<設置する改札機イメージ>
<顔認証改札機設置箇所>
◎新潟駅
◎長岡駅
関連情報
https://www.jreast.co.jp/
構成/清水眞希